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2019年6月

2019年6月 7日 (金)

クリストファー リンデさん

前回のブログでもお知らせしたとおり、5月22日スウェーデン大使館にてリンデエクステンド社セミナーを開催致しました。セミナーでは、リンデエクステンド社の創業者でもあるクリストファー リンデさんが来日し、講演を行いました。

講演はクリストファーさんが切断者となった事故の話からリハビリを経てパラリンピックに出場し、義足開発を行うまでのストーリーが紹介されました。講演内容を要約してご紹介します。

 

Cl_2クリストファー リンデさん

クリストファーさんは現在30歳です。

年少の頃はどこにでもいる若者で、またスポーツを愛し、水泳でスウェーデンのジュニアチャンピオンになったこともありました。

 

Cl1

しかし2006年彼が17歳の学生の時、鉄道事故により両足と左腕を失いました。病院の医師からは、助かる見込みは1%と言われていたそうですが、賢明な処置でどうにか一命を取り留めることができました。

しかし、切断による痛みは耐え難いもので、肉体的にも精神的にも病院で辛い日々を過ごしたそうです。

 

 

そんな彼を勇気づけたのが、彼の父からもらった一本のビデオテープでした。

それは、アメリカ人の キャメロン クラップという人についてのドキュメンタリー番組でした。そのドキュメンタリー番組の中で、キャメロンさんはクリストファーさんと同じように両足と片腕を事故で失いながらも、義足で歩いたりスキーをしたり、車の運転をしていました。

Cl2キャメロン クラップ(Cameron Clapp)さん

このビデオを見てクリストファーさんは、将来への希望を持てるようになり、リハビリに励むようになりました。

 

 

 

Cl3リハビリ中のクリストファーさん

初めは病院のベッドの上でバランスを取って座る事も困難でした。社会復帰には数年かかると言われていたのですが、リハビリスタッフと共に努力し、なんと事故から6か月後には学校に戻る事ができました。

 

そして、慣れ親しんだ水泳にも挑戦しました。はじめは泳ぐことができるのか?? 沈んでしまうのではないか!! と、とても心配でしたが、プールに飛び込むと事故の前と同じ感覚で水中で体を動かすことができました。

この時彼は“パラリンピック2008北京大会に出よう”と決心しました。その後スウェーデンのパラリンピック派遣条件をクリアーするために、数多くの競技会に参加し、ついにパラリンピック出場資格を得る事ができました。2008年、目標でもあったパラリンピック北京大会に出場し4位という結果を残しました。事故から2年で成し遂げた結果です。

Cl4パラリンピック北京大会

 

その4年後のパラリンピック ロンドン大会にも出場する事になるクリストファーさんですが、そんなアスリートの彼でも、どんな義足足部を使っても未舗装路や不整地でバランスをとって歩くことが容易ではありませんでした。アウトドア活動が大好きだった彼は、何故、家の中ではバランスをとって歩けるのに、不整地等アウトドアでは困難なのだろうと考え、自分に最良の足部を作ろうと決心し、エンジニアになるためスウェーデンの大学に入学し勉強をはじめました。

研究を重ねた結果、スウェーデンの防衛産業で採用されている柔軟性と耐久性のある最新素材を使用して足関節の動きを表現しようと義足足部をデザインしました。製品として出来上がったプロトタイプの使用感は大変良く、満足いく足部を作る事に成功しました。

Xtend_footエクステンドフット

 

これは、きっと自分以外の切断者にも役に立つ足部だと思ったクリストファーさんはLindhe Xtend(リンデ エクステンド)社を立ち上げ、2015年11月にエクステンドフットの販売を北欧でスタートしました。

クリストファーさんの開発した「エクステンドフット」は現在では北欧だけでなく、世界13カ国で累計600個以上の販売実績があるそうです。


  

その他、クリストファーさんが自身のホームページでUPしている動画を一部ご紹介します。

メディアに紹介されている様子や水泳の動画等をご覧いただくことができます。


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