秋山 卓哉さん

切断者ゴルフ大会の最高峰NAGAチャンピオンシップでの優勝を目標にして、ゴルフに取り組まれている秋山卓哉さんを紹介します。

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秋山 卓哉さん
アキヤマ タクヤさん

今回は切断者ゴルフ大会の最高峰NAGA(National Amputee Golf Association) Championship での優勝という高い目標を持ち、競技ゴルフに取り組まれている秋山卓哉様をご紹介いたします。
秋山様は小学生の時に左大腿部から足を切断されました。切断後お父様に連れられゴルフを始め、16歳の時に本コースデビューを致しました。就職後、海外へ赴任された時に、どっぷりとゴルフにはまり、年間80ラウンドを達成するほどの熱中ぶりで、ベストスコアは76という腕前の持ち主です。現在は日本に帰国され、障害者ゴルフ大会等にも参加され、好成績を残されております。
(プロフィールを秋山様のブログ「義足ゴルファーのアスリートへの道」より抜粋)
秋山様は「義足ゴルファーのアスリートへの道」(http://blog.golfdigest.co.jp/user/mccormack/)というご自身のブログをお持ちで、その中で障害者競技ゴルフの最高峰を目指し、奮闘する様子を綴っておりますので是非アクセスしてみて下さい。

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インドネシア ピンタン島でのラウンド

 秋山さんへのインタビュー

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Q.最近、ゴルフ大会に出場されたそうですが、簡単にご紹介下さい。

平成18年10月30日~31日に千葉県の真名カントリークラブで開催された日本障害者オープンゴルフ選手権に出場しました。
日本障害者オープンゴルフ選手権は2日間36ホール・スクラッチプレーで競われる障害者の競技会で、「障害者ゴルファー日本一」を決める大会です。
毎年開催されており、北海道から沖縄まで、日本全国から参加者が集うほか、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア等海外からも優れた障害者ゴルファーが参加します。

これまでの選手権でのベストスコアは2000年の第5回選手権でオーストラリアのジェフ・ニコラス選手が記録した4アンダーというレベルの高さです。
今年は、およそ60名の障害者が参加しました。私がエントリーしたのは、オフィシャルハンデ15以下の上級者を対象にしたグランプリの部で、バックティからスタート。JGAルール則り、障害者の特別ルールは適用されません。今年は海外からの参加者を含め19名がエントリーしました。

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秋山さんとジェフ・ニコラス選手
第11回日本障害者オープンゴルフ選手権にて

Q.かなり本格的な競技のようですが?

秋山さんとジェフ・ニコラス選手
第11回日本障害者オープンゴルフ選手権にて
今年で11回目を迎えた日本障害者オープンゴルフ選手権(Japan Open)は、多くのボランティア、スポンサーに支えられながら開催されており、毎年日本全国から多くの障害者ゴルファーが集まります。また海外からも腕に覚えのある障害者ゴルファーが参加しています。

今年は、切断者ゴルファーにとって世界最高峰の大会NAGAチャンピオンシップで12年連続優勝の記録を持ち、オーストラリアPGAのプロでもあるジェフ・ニコラス選手と彼の弟子たち、またアメリカからは2004年度のJapan OpenのチャンピオンでNAGAチャンピオンシップの米国人ベスト16と海外からの参加者ベスト16で争うロビンソンカップで、毎年米国代表に選出されるダン・コックス選手が参加しました。

さらに今年は韓国からも4名の障害者の方が参加するなど、年々、海外からの参加者が増えるInternationalな大会になってきています。
加え、日本人の参加選手のレベルも非常に高く、Japan Open最多優勝記録を持ち、2002年のNAGAチャンピオンシップで日本人最高の7位に入賞した古田氏や、JGAハンデキャップ0で、2006NAGAチャンピオンシップ、前腕切断の部チャンピオンの小山田氏などが参加し、まさに障害者ゴルファー日本一を決めるのにふさわしいレベルの大会になっています。

Q.今大会での成績、スコアはいかがでしたか?
成績は思うような結果は出せず、90(48,42)、91(44,47)の181で総合の部で11位でした。
初めての競技ゴルフの緊張もあり、また練習ラウンドも含め4連続のラウンドで疲れもあったのだと思います。
そうした状況だったことも含め、これが私の実力なのでしょう。
結果は思うようにいきませんでしたが、本当に楽しい大会でした。

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Q.大会に出場してみてのご感想は?
第11回日本障害者オープンゴルフ選手権にて
とにかく得るものの多い大会でした。
これまでに健常者の方々としかラウンドをしたことがなかったので、同じ切断者のプレーから参考になるさまざまな工夫など、今後のスイングに生かせるヒントをもらっただけでなく、切断者の方がそれぞれ自分にあった義足を使用しており、沢山の義足を見て、知ることができました。また車椅子使用の方、片麻痺の方、知的障害の方など、私とは違う障害を抱えた方が、それぞれにひたむきにゴルフに取り組む姿勢や楽しむ姿からは大変刺激を受けました。

それだけではなく、海外からの参加者との国際交流や、大会運営に携わるボランティアの方々との運営に対する苦悩や喜びなど多くの話が聞けました。今回の大会で、多くの出会いがあり、普段の生活では見ることのできない、新しい発見と新しい経験を得られました。

Q.秋山様のブログの中で日本障害者オープンゴルフ選手権に優勝し、さらに切断者ゴルフの最高峰であるNAGA (National Amputee Golf Association) Championship に優勝するという目標が掲げられておりますが、現状と今後についてお聞かせ下さい。

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今現在ではかなり高い目標だと思いますが、届かない目標だとは思っていません。今回の大会に参加したことで、自分自身のゴルフの皮がひとつ剥け、一歩も二歩も前進できたと思っています。
私はゴルフの技術も、義足の知識もまだ未熟ですが、それだけ多くの可能性があると信じて、これからも試行錯誤しながら進んでいきたいと思っています。

普段の練習場での打ち込みやレッスンだけでなく、自宅でのストレッチや筋トレなど基礎となる筋肉が落ちないように気をつけています。また多くの上級者との出会いから多くのものを得られるので、積極的にゴルフの輪を広げていっています。

Q.秋山様にとってゴルフの良さ・楽しみとは?
ゴルフのいいところは出会いだと思います。
ゴルフは老若男女、国籍、障害のあるなし、上級者、初心者に関係なく、対戦できる稀なスポーツです。それだけ多くの人との輪が広がり、視野を広げることができます。
年下から年上の方まで多くの友人・知人をゴルフで得ることができました。

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秋山さん(一番右)
第11回日本障害者オープンゴルフ選手権にて

Q.最後に“ゴルフと義足”について何かあればお聞かせ下さい。
実は切断してからゴルフを始めたため、あまり義足であるために大変なことは思いつかないのですが… 夏場の汗で断端部が蒸れて、外れやすくなること。
義足側の膝を曲げてアドレスができないので、体の軸が右に傾いてしまうこと。
左足の大腿部から義足なのですが、インパクトからフォローにかけて、左股関節の上で体を90度以上回せないため、特殊なスイング(左足踵を軸に足を滑らす<回転させる>)になってしまうこと。
こうした部分を今後の義足の技術進歩で解決できたら、うれしいと思います。

 秋山さんの義足の主なパーツ

膝継手:TGK-5PS0(Teh Lin)

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