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2018年6月18日 (月)

ライナーについて その1

弊社ではアメリカ ウィローウッド社製アルファライナーをはじめ、いくつかの義足用ライナーを販売しております。

では、さっそくアルファライナーのご紹介を と思ったのですが、まずは「ライナー」とはどんなモノなのかというところから始めたいと思います。

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今でこそ、いろいろなメーカー、種類の義足用ライナーが存在しますが、もともとは1980年代にOssur Kristianssonというアイスランド人によってICEROSSという呼び名で商品化されたのがはじめです(この人が創業したのが、今では大きな会社になったOSSUR社ですね)。

それまでは、スポンジで作ったインサートや断端袋を履いて義足ソケットを装着していました。Kristianssonさんも切断者で、もっと良い義足装着環境はないものか・・・という事でICEROSSが開発されました。

このライナーが開発された1番目の目的は、ライナー先端に取り付けられたキャッチピンによる自己懸垂だと思います。キャッチピンが義足側の受け手パーツと機械的に接続されるので、確実な義足懸垂が可能となりました。これにより義足を懸垂するためのベルト等が不要になったので膝周りが自由になりました。

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2番目の目的は、ライナーが第2の皮膚の役割をすることでしょうか。シリコーン製のライナーが肌に密着し、義足ソケットと摩擦が生じるのはライナーの外側になります。最近ではインターフェースなんて言葉でライナーを位置付けしているメーカーもあるみたいです。

実はその当時OSSUR社の代理店をしていたのは当社で、古い資料をあさっていたらこんなチラシを発見しました。20年位前の資料でしょうか・・・

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なつかしい・・・・・

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そんな感じで開発された義足用ライナーですが、今では色々なメーカーから販売されております。

OSSURさんのICEROSSはシリコーン製なのですが、現在ではウレタンやサーモプラスチック等でつくられたライナーが存在します。

ちょっと調べてみたのですが、判っただけでもこんなにありました(会社名と製品名)。日本国内に流通してないものもあるようです。ライナー素材はシリコーンであったりサーモプラスチックであったり、また独自の呼び名を付けているメーカーもあるので詳しくは各社のサイトを覗いてみてください。

ALPS (Easy Liner)
DAW (Cool Liner)
ESP (Ultimate Liner)
FILLAUER (Absolute Liner)
OSSUR (ICEROSS)
OTTO BOCK
SILIPOS (DuraGel)
Streifeneder (ContexGel Liner)
WILLOWWOOD (Alpha Liner)

沢山ありすぎですね。

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ここでポイントとなるのは、このライナーの素材によってかなり特色が変わってくるということです。簡単にライナー素材別の特徴をシリコーンとサーモプラスチックを例に説明すると。

◆シリコーン製ライナー(OSSUR ICEROSSやOTTO BOCK 6Y70等)

  • 弾性に富み、元の形状に戻ろうとする力があります。
  • 懸垂力、支持性に優れます。
  • 形状が変化しないので、ライナーの規格サイズが多種必要になり、厳密なサイズ選択が必要です。

◆サーモプラスチック製ライナー(WillowWood Alpha LinerやSILIPOS DuraGel等)

  • クッション性に優れます。
  • 熱可塑性なので装着しているだけで体温によりライナーの形状が変化し、断端になじんできます。
  • 形状に変化があるので断端に沿います。その為ライナーの規格サイズが少ない。

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とても大雑把な説明だとこんな感じになるでしょうか。

そこで、ようやく現在弊社が取扱いするウィローウッド社(WillowWood)製アルファライナーのご紹介になりますが、少し長くなってしまったので続きは次回に・・・・・・・・・・・・・


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