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2018年5月 8日 (火)

義足ソケットを個性的に仕上げる柄パターン

今回は、弊社で取扱いをしているカーボンFXをご紹介します。

カーボンFXは義足ソケットの見た目をカッコ良く仕上げるためのカーボン柄パターンです。

製品としてはシート状で販売しております。それをソケットに沿わせてラミネーションします。

製作には通常より一手間、二手間かかってしまいますが、それでもカッコいいソケット、他の人と違うデザインを求めるユーザー様も増えております(義足構成パーツ条件、製作テクニック、コスト、時間がかかるので誰でも作れるわけではないですが・・・・)。

今回は弊社義肢部の柴田がカーボンFXを使用して作製した下腿義足を一例としてご紹介します。

では、柴田さんよろしく~

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義肢部柴田です。

ソケットと外装を“カーボンFX”で製作した下腿義足を紹介します。

ユーザーは先天性の下肢欠損の高校生です。彼が赤ちゃんの頃から担当しており、これまで成長に合わせて数多くの義足を作りました。ここ数年“カーボンFX”を使った義足を継続して製作しており、全色制覇しています。

今回は“シルバーシャドー”と“カーボングリーン”の2本を製作しました。

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乳幼児、小児に製作する義足はとにかく傷がつきます。

公園の遊具に義足をぶつけて遊び・・授業中に椅子にぶつけて暇つぶしと・・外装の表面の遊具の塗装や削れた跡がハードユーザーの勲章です。このような経験から外装をウレタンフォームなどではなくハードシェルで製作するともあります。

本ユーザーは“かっこよさ”も求め、カーボンFXを使いました。

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製作について


ソケットの製作は通常の工程です。樹脂注型の積層材の最後にカーボンFXを使います。樹脂注型時に一気に大量の樹脂を流すとカーボンFXの網目が開くので注意が必要です。


ハードシェルで製作する外装は少々手間がかかります。私は完成した義足で陰性モデルを取り、外装の陽性モデルを製作しました。そして樹脂注型を行っています。カーボンFXの網目の流れがソケットと外装でなるべく一致するように気をつけています。


ハードシェルを外装として義足に固定(安定)させる方法が難しいのですが、現在はソケットとハードシャルの適合と足首部分に取り付けたスポンジ材(シルバーの義足では足首部分の黒い部分)で固定しています。

また、足首部分にスポンジ材を使うことで、歩行時に足首部分に動きのある義足足部(いわゆるエネルギー蓄積足部)を使用しても、ハードシェルの固定に干渉しません。長年この方法で製作していますが、問題はないようです。ただし、固定方法については今後も課題としています。

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おすすめポイント


シルバーシャドーは“アルミ”や“光り物”といった印象もありますが、実物は思いのほか“和”の雰囲気を醸し出しています。どこが“和”の雰囲気・・・・と思われそうですが、個人的に畳縁(畳の縁の布)」を連想します。間違いなくオススメです。

カーボングリーンは樹脂注型後にやや黒みが強くなります。一見して“ブラック”と思いきや、光の加減で“グリーン”がでてくる感じです。ダークな感じを求めるユーザーさんには良い選択と思います。


ソケットや外装の見た目を“かっこよく”デザインする方法はいくつかあります。キャラクターや模様がデザインされた外装も“cool”ですが、“カーボンFX”はユーザーや街並みとの馴染みもよく“スタイリッシュ”な外装を求める方におすすめです。

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ちなみに装着している写真の後ろにある義足は1年以上使用した義足(ちなみにグリーンカーボン使用)です。

使用によるギズは目立ちますが、新品時の“カーボンFX”の印象を損なっていないのも利点と感じています。機会があれば試してみてください!


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