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2020年1月29日 (水)

前足部切断者への新しいアプローチ

前回アラードAFOについて、種類などを説明しました。

基本的に、「アラードAFO」は下垂足の患者様用の装具なのですが、アラードAFOシリーズの中でも一番剛性の高い(硬い)ブルーロッカーを前足部切断者への義足の一部として利用するケースが増えてきているので、それについてご紹介します。

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前足部切断で生じる問題

1.十分な推進力を得る事ができない。

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ウィンドラス機構が機能していると、MP関節伸展に伴う足底腱膜の巻き上げにより足部のアーチが緊張し、足部の剛性が高まり推進力が増加します。しかし前足部切断のケースでは、この機能が有効に働かないため、十分な推進力が得られません。

2.断端末部に大きな摩擦が生じる。

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健常者の足部ではレバーアームの長さと下腿のバランスが保たれているので、摩擦は生じません。しかし、前足部切断のケースでは、レバーアームの長さが短くなり、下腿の力が勝り、断端末部に摩擦が生じ胼胝等の原因になります。

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ブルーロッカーを使用すると

推進力の復元と断端末部の摩擦を軽減します。

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フットプレートと脛骨前面のシェルがレバーアームの長さを補完し、反発力を生み出し、十分な推進力を得る事ができます。

また、つま先まで長さがあるフットプレートにより、圧力がフットプレートの遠位にかかり、断端末部での摩擦を軽減させます。

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素材であるカーボンの反発力と製品形状の特徴を利用することにより、以下のメリットがあります。また、断端にもよりますが、試着ができるのも特徴だと思います。

  • 推進力の復元

  • 歩行スピードの向上

  • 断端末部での摩擦の軽減

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切断部位によっては、健足との脚長差や底屈可動域を考慮し、ソケットを製作する必要があります。

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ユーザー様からは以下のようなコメントを頂いております。

  • 左右バランス良く歩くことができる。
  • カーボンの反発があるので、長い距離歩いても疲れない。
  • 体重移動の途中で力が抜ける感覚が無くなった。
  • 見た目にも左右の足の運びに違和感が無く、家族からも喜ばれた。

ブルーロッカーの種類

ブルーロッカーには以下の3つのモデルがあります。ユーザー様の体格や利用する靴の踵の差高を考慮し、モデルを選択して下さい。その他アラードAFOについては、こちらをご参照下さい。

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Image002参考文献:アラード社 PARTIAL FOOT - AN ILLUSTRATIVE GUIDE


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