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2018年11月 8日 (木)

シールインライナーに最適な吸着バルブ LYN-PA0400

シールインライナーに最適な吸着バルブESP社リンバルブ スライド(LYN-PA0400)をご紹介します。

Pa0400
完成用部品認可済
品名:リンバルブ スライド
品番:ESP  LYN-PA0400

この製品は、ソケット着脱をハンズフリーで行えるようになる小型バルブです。

 
バルブ中央のオペレーションボタンをどの方向にスライドさせても簡単にロックがかかり、バルブがオープン状態に保たれます。


吸着環境で義足を装着していた人が義足ソケットを外す時は、ソケット内の密閉を解いて断端を抜きます。

シールイン式では、その密閉を解く作業をバルブを開放して行うのが一般的で、従来のバルブは開放するためにボタンを押し続けないといけないタイプが多かったようです。

しかし、このリンバルブ スライドは、バルブを開放する時もボタンを押し続ける必要はありません。

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バルブ中央のオペレーションボタンをどの方向にスライドさせても簡単にロックがかかり、バルブが開放状態に保たれるので両手を使ってソケットの脱着が可能となります。シールイン式ライナーを使用している方に最適なバルブです。


特に手の不自由な方には有用な機能だと思います。


バルブ開放状態時は、断端をソケットに挿入する時の背圧もありませんので、装着も簡単です。


ソケット装着後にオペレーションボタンを元に戻すと自動排出モードに切り替わり吸着環境になります。

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ちなみに、バルブ内のクリーニングも簡単です。


バルブ内にゴミ等がたまると空気漏れの原因になります。「どこからか空気が入ってくる~」等のケースは一度クリーニングをしてみて下さい。

作業は、ソケットからバルブを取外したりするので義肢装具士さんが行った方が良いです。

今回はESP社のリンバルブ スライド(LYN-PA0400)をご紹介いたしました。

このメーカーはその他にもユニークな義肢パーツを取り扱っておりますので、以下のリンクを貼っておきます。

ESP社(アメリカ)


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2018年10月26日 (金)

吸着懸垂用バルブ700-SP471

義足を懸垂する方法はいくつかあります。
キャッチピンを使用し、機械的に義足を懸垂する方法や吸着環境をつくりだし、義足を吸着懸垂する方法等など。

今回は吸着環境をつくりだすための、義足構成部品であるバルブ製品についてご紹介します。

Suctionpyramid700sp471

サクションピラミッド(700-SP471)


ご紹介するウィローウッド社製サクションピラミッド(700-SP471)は吸着環境を作り出すためにソケット内の空気を排出するバルブ(One way)を備えた4穴ピラミッドコネクタです。主に下腿義足に使用されると思います。


【クッションライナーを使用する吸着懸垂ソケットはこんな仕組みですね】

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アルファライナー等のクッションライナーを装着した断端をソケットに差し込み、ソケット内の空気をバルブが排出します。そしてソケット上縁から空気が入ってこないようにスリーブを装着します。


これにより密閉環境がたもたれ、義足を吸着懸垂する仕組みですね。
一般的には、キャッチピンでの懸垂よりも断端全体で義足を懸垂するので、義足との一体感があると言われています。

この吸着懸垂システムに使用される構成部品のバルブですが、下の写真のようなバルブをソケットに穴を開けてねじ込み、ソケット内の空気を排出するのが一般的だと思います。

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ソケットから飛び出るのでぶつけたり、外観がすっきりしなかったりします。


そこで、開発されたのがウィローウッド社製サクションピラミッド(700-SP471)です。
下の写真のようなゴム製バルブが4穴ピラミッドコネクタの中に内蔵されております。

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専用のソケットブロック(700-250)をラミネーションしたソケットにこの(700-SP741)を接続する事により、見た目がスッキリしたソケット製作ができます。

特に製作方法に難しい点はありません。一般的なソケットブロックを使用する時と同じ方法です。

バルブを内蔵したサクションピラミッド(700-SP471)はクランプアダプタと接続され、収納されます。

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One Wayバルブなのでシールイン式には使えないと思いますが、クッションライナーとスリーブを使用した吸着懸垂には最適と思います。

またバルブだけの消耗交換も簡単というメリットがあります。ゴム製バルブをはめ替えるだけなので作業はものすごく簡単です。

今回は、見た目がスッキリしたソケットができる、大変スマートな吸着懸垂用バルブパーツであるウィローウッド社のサクションピラミッド(700-SP471)をご紹介しました。


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2018年5月 8日 (火)

義足ソケットを個性的に仕上げる柄パターン

今回は、弊社で取扱いをしているカーボンFXをご紹介します。

カーボンFXは義足ソケットの見た目をカッコ良く仕上げるためのカーボン柄パターンです。

製品としてはシート状で販売しております。それをソケットに沿わせてラミネーションします。

製作には通常より一手間、二手間かかってしまいますが、それでもカッコいいソケット、他の人と違うデザインを求めるユーザー様も増えております(義足構成パーツ条件、製作テクニック、コスト、時間がかかるので誰でも作れるわけではないですが・・・・)。

今回は弊社義肢部の柴田がカーボンFXを使用して作製した下腿義足を一例としてご紹介します。

では、柴田さんよろしく~

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義肢部柴田です。

ソケットと外装を“カーボンFX”で製作した下腿義足を紹介します。

ユーザーは先天性の下肢欠損の高校生です。彼が赤ちゃんの頃から担当しており、これまで成長に合わせて数多くの義足を作りました。ここ数年“カーボンFX”を使った義足を継続して製作しており、全色制覇しています。

今回は“シルバーシャドー”と“カーボングリーン”の2本を製作しました。

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乳幼児、小児に製作する義足はとにかく傷がつきます。

公園の遊具に義足をぶつけて遊び・・授業中に椅子にぶつけて暇つぶしと・・外装の表面の遊具の塗装や削れた跡がハードユーザーの勲章です。このような経験から外装をウレタンフォームなどではなくハードシェルで製作するともあります。

本ユーザーは“かっこよさ”も求め、カーボンFXを使いました。

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製作について


ソケットの製作は通常の工程です。樹脂注型の積層材の最後にカーボンFXを使います。樹脂注型時に一気に大量の樹脂を流すとカーボンFXの網目が開くので注意が必要です。


ハードシェルで製作する外装は少々手間がかかります。私は完成した義足で陰性モデルを取り、外装の陽性モデルを製作しました。そして樹脂注型を行っています。カーボンFXの網目の流れがソケットと外装でなるべく一致するように気をつけています。


ハードシェルを外装として義足に固定(安定)させる方法が難しいのですが、現在はソケットとハードシャルの適合と足首部分に取り付けたスポンジ材(シルバーの義足では足首部分の黒い部分)で固定しています。

また、足首部分にスポンジ材を使うことで、歩行時に足首部分に動きのある義足足部(いわゆるエネルギー蓄積足部)を使用しても、ハードシェルの固定に干渉しません。長年この方法で製作していますが、問題はないようです。ただし、固定方法については今後も課題としています。

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おすすめポイント


シルバーシャドーは“アルミ”や“光り物”といった印象もありますが、実物は思いのほか“和”の雰囲気を醸し出しています。どこが“和”の雰囲気・・・・と思われそうですが、個人的に畳縁(畳の縁の布)」を連想します。間違いなくオススメです。

カーボングリーンは樹脂注型後にやや黒みが強くなります。一見して“ブラック”と思いきや、光の加減で“グリーン”がでてくる感じです。ダークな感じを求めるユーザーさんには良い選択と思います。


ソケットや外装の見た目を“かっこよく”デザインする方法はいくつかあります。キャラクターや模様がデザインされた外装も“cool”ですが、“カーボンFX”はユーザーや街並みとの馴染みもよく“スタイリッシュ”な外装を求める方におすすめです。

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ちなみに装着している写真の後ろにある義足は1年以上使用した義足(ちなみにグリーンカーボン使用)です。

使用によるギズは目立ちますが、新品時の“カーボンFX”の印象を損なっていないのも利点と感じています。機会があれば試してみてください!


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