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2018年5月

2018年5月25日 (金)

義足用断端袋 Tソックス

今回は義足ライナーを使用した方向けの断端袋をご紹介します。

ライナー式義足ユーザー様ならご利用の方も多いと思います。


TMCとロゴが入っているこの断端袋「Tソックス」は弊社の製品です。

Tsocks

弊社が20年位前にシリコーンライナーを取扱い始めた時に、ライナーの保護、汚れ防止、断端が痩せた時の調整を目的として開発いたしました。


長さが3種類あり、またその中でも厚さが1ply, 3ply, 5plyと3種類取り揃えております。ちなみに1plyとはストッキネット1枚分位の厚みです。3plyとは3枚、5plyとは5枚分位の厚みです。


ロゴの色で長さ(緑=約30cm、赤=約35cm、茶=約40cm)が、横線の本数で厚み(線なし=1ply、一本線:3ply、二本線=5ply)が判るようになっています。なので”緑色の一本線の断端袋が欲しい”と言えば製品が判るようになっています。


 

製品の底の部分はライナーのキャッチピンが通る穴が空いており、生地がほつれないように加工してあります。

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断端は同じ一日の中でも大きさ(容量)が変わると言われています。

午前中は1plyを1枚だけ装着していて、午後に断端が痩せてきたら、もう1枚重ね履きして常に良好なソケットフィッティングを得られるように調整します。異なる厚さの断端袋を重ね履きする方も沢山いらっしゃいます。但し、重ね履きをすると断端長も変わってきてしまうので、注意が必要です。

断端末部だけ痩せる方もいるので、「ハーフソックス」なる短い断端袋も開発いたしました。

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断端袋の重ね履きをしてもソケットが緩かったら、ソケットの作り直しを検討する時期かもしれませんので、担当の装具士さんにご相談することをお勧めします。
 

「Tソックス」を使用後は洗濯機で洗って下さい。一般の靴下と同じ消耗品的な要素がありますので、定期的に交換して下さい。


今では義足ライナーユーザーには必要不可欠なアイテムになっている田沢製作所製の断端袋「Tソックス」をご紹介いたしました。

ライナー式では無く、断端袋を直接履いて義足を装着する方用のパイルソックスもございます。


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2018年5月 8日 (火)

義足ソケットを個性的に仕上げる柄パターン

今回は、弊社で取扱いをしているカーボンFXをご紹介します。

カーボンFXは義足ソケットの見た目をカッコ良く仕上げるためのカーボン柄パターンです。

製品としてはシート状で販売しております。それをソケットに沿わせてラミネーションします。

製作には通常より一手間、二手間かかってしまいますが、それでもカッコいいソケット、他の人と違うデザインを求めるユーザー様も増えております(義足構成パーツ条件、製作テクニック、コスト、時間がかかるので誰でも作れるわけではないですが・・・・)。

今回は弊社義肢部の柴田がカーボンFXを使用して作製した下腿義足を一例としてご紹介します。

では、柴田さんよろしく~

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義肢部柴田です。

ソケットと外装を“カーボンFX”で製作した下腿義足を紹介します。

ユーザーは先天性の下肢欠損の高校生です。彼が赤ちゃんの頃から担当しており、これまで成長に合わせて数多くの義足を作りました。ここ数年“カーボンFX”を使った義足を継続して製作しており、全色制覇しています。

今回は“シルバーシャドー”と“カーボングリーン”の2本を製作しました。

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乳幼児、小児に製作する義足はとにかく傷がつきます。

公園の遊具に義足をぶつけて遊び・・授業中に椅子にぶつけて暇つぶしと・・外装の表面の遊具の塗装や削れた跡がハードユーザーの勲章です。このような経験から外装をウレタンフォームなどではなくハードシェルで製作するともあります。

本ユーザーは“かっこよさ”も求め、カーボンFXを使いました。

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製作について


ソケットの製作は通常の工程です。樹脂注型の積層材の最後にカーボンFXを使います。樹脂注型時に一気に大量の樹脂を流すとカーボンFXの網目が開くので注意が必要です。


ハードシェルで製作する外装は少々手間がかかります。私は完成した義足で陰性モデルを取り、外装の陽性モデルを製作しました。そして樹脂注型を行っています。カーボンFXの網目の流れがソケットと外装でなるべく一致するように気をつけています。


ハードシェルを外装として義足に固定(安定)させる方法が難しいのですが、現在はソケットとハードシャルの適合と足首部分に取り付けたスポンジ材(シルバーの義足では足首部分の黒い部分)で固定しています。

また、足首部分にスポンジ材を使うことで、歩行時に足首部分に動きのある義足足部(いわゆるエネルギー蓄積足部)を使用しても、ハードシェルの固定に干渉しません。長年この方法で製作していますが、問題はないようです。ただし、固定方法については今後も課題としています。

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おすすめポイント


シルバーシャドーは“アルミ”や“光り物”といった印象もありますが、実物は思いのほか“和”の雰囲気を醸し出しています。どこが“和”の雰囲気・・・・と思われそうですが、個人的に畳縁(畳の縁の布)」を連想します。間違いなくオススメです。

カーボングリーンは樹脂注型後にやや黒みが強くなります。一見して“ブラック”と思いきや、光の加減で“グリーン”がでてくる感じです。ダークな感じを求めるユーザーさんには良い選択と思います。


ソケットや外装の見た目を“かっこよく”デザインする方法はいくつかあります。キャラクターや模様がデザインされた外装も“cool”ですが、“カーボンFX”はユーザーや街並みとの馴染みもよく“スタイリッシュ”な外装を求める方におすすめです。

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ちなみに装着している写真の後ろにある義足は1年以上使用した義足(ちなみにグリーンカーボン使用)です。

使用によるギズは目立ちますが、新品時の“カーボンFX”の印象を損なっていないのも利点と感じています。機会があれば試してみてください!


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2018年5月 1日 (火)

義足パーツセミナー企画中!

義肢装具士、製作技術者様を対象とした「義肢セミナー」を企画中です。

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縁あって3年ほど前からナブテスコ社様と共催で「義肢セミナー」を開催しております。

これは、以前ドイツのメディという義肢パーツを製造販売する会社があって(現在はオズール社に買収され無くなってしまいました)、膝継手製品をナブテスコ社様が、ライナー製品を田沢製作所が日本国内での販売代理店を務めておりました。

その時に一緒に「メディ社義肢パーツセミナー」を開催しまようという事で、しばらく2社で一緒にセミナー開催を行っておりました。

ところが、ある日突然メディ社が競合会社に買収されてしまいました。

せっかく一生懸命プロモーションしていたのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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(この業界も外国では企業買収が多いのです。特に一部の株式上場したパブリック会社が優秀な会社を買いまくるのです。)

メディ社製品という共通は無くなりましたが、私共もナブテスコさんも其々独自の製品を取扱いしているので、せっかく築いたセミナー開催のノウハウや協力体制を続けましょうということで、今年も2社共催で「義肢セミナー」を企画しております。

競合の他社さんと一緒に働く機会はあまり無いことなので、とても新鮮です。しかも、お相手はナブテスコってナンデスコ?のテレビコマーシャルでもおなじみの大企業です。

現在、義肢セミナーの日程、会場などの手配を確定させ、案内のチラシを作成中です。ちなみに、今回は東北・北海道で開催します。

間もなく正式に弊社サイトでも発表予定です。

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弊社のスーパー義肢装具士 田村君が講師を務めて、臨床の角度から製品を紹介します。豊富な臨床経験からのテクニックやトラブルシューティング等をお伝えしてくれると思います。

ナブテスコ様からは、世界唯一のコンセプトを持った電子制御膝継手や最新足部パーツ等を紹介するそうです。

普段ご紹介しきれていない部品(あると便利なパーツ、治具、コストを抑えたパーツ等)も展示紹介したいと思いますので、東北、北海道の義肢装具士様、製作技術者様、是非ご参加頂きたいと思います。


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